【コラム】冬至と南瓜(かぼちゃ)
2019.12.25
年の瀬も押し迫り、慌ただしさが感じられる季節になりました。
9月の立秋から徐々に昼の時間が短くなり、やがて北半球では昼が最も短い冬至を迎えます。
冬至は年によって12月21,22,23日のいずれかになり、今年は12月22日(日曜日)とのことです。
冬至の別名は「一陽来復(いちようらいふく)の日」。
中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくるという前向きな意味合いを含んだ言葉だそうです。冬至を境に運気も上昇するとされているので、南瓜を食べて栄養を付け、身体を温める柚子湯に入り無病息災を願いながら身体を休ませることが寒い冬を乗りきるための知恵とされています。
『冬至には南瓜を食す』という風習は世間一般に浸透しているものですが、そもそも南瓜である所以はどうしてなのでしょうか?
かぼちゃ(南瓜)はもともと南アメリカ大陸原産で生育適温は25~30℃前後の熱帯性の植物だそうで、日本におけるかぼちゃの旬は夏です。それなのに冬至にかぼちゃを食べる風習ができたのは、かぼちゃが長期保存できる野菜であることによるそうです。
昔は現代と違って野菜を1年中食べることは難しい時代でした。そのため、ビタミンなど多くの栄養を含むかぼちゃを、野菜の不足する冬の時期に食べることで、厳しい冬を元気に乗り切ろうという江戸時代の人たちの「冬至の日」への想いが込められているそうです。
現在は真冬でもハウス栽培や海外からの輸入などにより、豊富に野菜を食べることができ、かぼちゃも旬の状態で食べることができますが、風習はそのまま庶民の生活に溶け込み江戸時代から現代まで残っています。
季節にまつわるこのような風習、特に年末から春先の寒い時季のものがより多く現在に受け継がれているような気がします。
我が家でも、冬至には柚子湯に浸かり南瓜の煮物を食べ、お正月があけてからは七草粥を食べて胃腸を整え、節分に豆まきをして立春を迎えるというコースが毎年の習慣です。
いずれにしろ、栄養と休養をしっかりとって、寒い冬を乗り切りましょう。
管理部 OZ